組織について

目的の意味を「3人のレンガ職人」の話から再考する

3人のレンガ職人の話

目的の大切さを説く際に
よく利用されるのが
イソップ寓話「3人のレンガ職人」です。

旅人が道を歩いていると
1人のレンガ職人が辛そうに
レンガを積んでいました。

旅人
旅人
何をしているんですか?
レンガ職人A
レンガ職人A
レンガ積みをしているのさ。
なんでこんなことをしなければならないんだ。
まったくついてない。

慰めの言葉を掛けて道を進むと、
また別の1人のレンガ職人が
レンガを積んでいました。

旅人
旅人
何をしているんですか?
レンガ職人B
レンガ職人B
大きな壁を作っているのさ。
これがオレの仕事でね。

励ましの言葉を掛けて
更に道を進むと、
今度は楽しそうに
レンガを積む職人がいました。

旅人
旅人
何をしているんですか?
レンガ職人C
レンガ職人C
オレたちは歴史に名を残す大聖堂を作っているのさ。
この大聖堂で多くの人が祝福を受けるんだ。
素晴らしいだろう?

同じ事をしているのに、
最初のレンガ職人と最後のレンガ職人では
ストレスが全く違いますね。

違いは目的の有る無しだけ。

やっていることは全く同じです。

如何に目的を持つことが大事か、
を訴える寓話です。

私は目的を持つこととは物事を楽しみ、
円滑に進めていくための技術の一つ
と位置付けています。

どうせならこの技術を使わない手は
ありません。

大いに使うべきでしょう。

※これはブラック企業が良く使う
「やりがい搾取」に
悪用できてしまう技術でもあります。
ステキな経営者のみなさまは
決して悪用しないで下さいね。

4人目の職人のお話

私はイソップ寓話に出てこない、
「4人目の職人」の存在が
必要だと考えています。

この職人は「目的を共有」する職人です。

いま、
この作業を、
どのような目的でやっているのか、
わかりやすく
みんなに説いて回れる職人です。

初めに出会ったレンガ職人は、
ただただ目的なく
レンガを積んでいますが、
本当は素晴らしい目的を
知らされていないだけかもしれません。

2番目のレンガ職人は
大きな壁を作っている、
というところまでは認識しているものの、
その先のもっと大きな目的を
知らされていません。

いわゆる「サラリーマン」と呼ばれる方は
この状況に陥っているパターンが多いです。

4人目の目的を共有する職人が
彼らに、
正しく、
わかりやすく、
目的を伝えることで
皆のストレスがなくなり、
生産性を高めることに繋がるでしょう。

一方で、
素晴らしい目的があるのに、
共有ができていなければ、
現場で作業をしている人は
ストレスを抱え良い仕事ができません。

目的を共有してくれる「4番目の職人」
はとても大切な存在です。

巻き込む側の人(リーダー)は目的の内容を最重視すること

目的を生み出し、
周りを巻き込んで
進めて行こうとしている人
(一般的にはリーダーと呼ばれる人)
に求められるのは、
その目的の内容を最重視し、
精査し続けることです。

目的が皆に支持されないものであれば、
目的を共有したら、
たちまち不満を生み、
辞めて行く人も出てくるでしょう。

目的の内容にやましいことがある
プロジェクトは、
それ故に目的が開示されない、
共有されない訳です。

メンバーに辞められたら困るしね、、

目的の内容が素晴らしいもの
であったとしても、
開示・共有がなされなければ、
メンバーにダメなプロジェクトの烙印
を押されてしまいます。

なぜか上手くいかない
プロジェクトがある場合は、
ここに原因がある場合が多く、
要チェックな箇所です。

目的を精査した上で、
内容に問題がある場合は
プロジェクトの再考・撤退も
視野に入れて下さい。

クライアントからの依頼であっても
丁寧に説明をして、
理解いただくという勇気が
求められるところです。
(なかなか難しいですけど汗)

目的に問題があるまま、
無理して進めたとしても、
早晩行き詰まります。

リーダーは目的を精査し、
4人目の職人(リーダー兼務が多い)
が目的を共有、浸透させ、
メンバー全員でプロジェクトを進めていく。

プロジェクトを楽しめるって最高ですよね。

どうせやるなら、
みんなで楽しめるやり方を
模索したいものです。